慢性副鼻腔炎

症状と原因

慢性副鼻腔炎(ちくのう症)は、主にカゼを原因として発症する副鼻腔(鼻の周囲、頬の奥や眼の奥にある骨で囲まれた空洞で、鼻の穴とつながっています。)の炎症、急性副鼻腔炎が治り切らずに慢性化してしまったものです。
炎症が慢性化することで、鼻の粘膜が腫れ、副鼻腔の空洞にウミやはがれた粘膜がたまります。

症状として頭痛、顔面痛・顔面腫脹、黄色や緑の鼻汁、鼻づまり、においが分からない、後鼻漏(鼻汁が喉に流れる)などの鼻症状がみられます。

急性副鼻腔炎とは違い、症状の現れ方が緩やかになる場合も多く、それが却って治療を怠る原因となって慢性化を助長させます。鼻水がのどにまわり、のどの炎症や気管支炎がおこることもあります。

診断

診断は、診察時の鼻の所見とレントゲンで副鼻腔に陰影があるかどうかで判断します。

右図の丸で囲った副鼻腔は副鼻腔炎の状態です。
正常な状態と違い、黒い空洞ではなく白いもやがかかったような状態で写っています。

大人の場合にはファイバースコープで副鼻腔への通り道を観察して実際にウミが出ているか、ポリープ(鼻茸)が無いかどうか等を確認する場合があります。

治療方針

当院ではクラリスというお薬を半分の量で使用するマクロライド治療を主にしています。
クラリスというお薬は元々は抗菌薬ですが、半分の量で使用することによって、副鼻腔炎を治す(炎症を治す)薬になります。
その為、少量持続投与という方法で使用しますので、月単位で使用しても安全な治療法となっています。
この使用方法でねばねばの鼻水をサラサラにして排出しやすくすることによって又、本来持っている働きを取り戻すことによって、副鼻腔をきれいにして治癒へと導いてゆきます。
上記の治療法と組み合わせて去たん剤も併用してゆきます。

お薬の治療で鼻の症状、所見ともにきれいになって、暫く安定すれば、治ったかどうかのレントゲンを再度お撮りしてきれいになっていれば治癒したと判断致します。

成人の場合は、症状や体質に応じてマクロライド療法を用いることが出来ない場合、上記でも症状の改善が芳しくない場合には漢方薬等に切り替えたり、併用治療を行う場合もあります。
ポリープ(鼻茸)がある場合にはお薬に対する反応が悪いことが多くなります。

気を付けて頂きたいこと

大人の方向け

慢性副鼻腔炎の方は鼻の通りを良くしなければ薬の効果が期待できない為に、きっちりとお鼻をかむようにしてください。
また、真菌症や腫瘍等がある場合、ポリープがある場合にお薬の服用で治療を続けても症状の改善が芳しくない場合には手術療法をお勧めする場合があります。

お子様向け

慢性副鼻腔炎の方は鼻の通りを良くしなければ薬の効果が期待できない為、お鼻をかむことが難しい場合には通院してきっちりとお鼻の処置を受けさせるようにしてください。
当院では3歳に達するまではレントゲンは撮影致しません。慢性副鼻腔炎(ちくのう症)の適応となるのは3歳を超えたお子さんである、ということになります。

疾患Q&A

慢性副鼻腔炎になられた際に浮かんでくる疑問や心配の数々・・・。
あいばクリニックでよくお受けする質問をまとめてみました。

Q.ちくのう症は再発すると聞いたのですが?
きちんと治しておけば、再発する可能性は極めて低いです。一般的に治ったと思っていてくすぶった状態の場合には、風邪ひきをきっかけに再燃してくる場合がありますが、これは治ったという状態ではないので、当院ではしっかりと治るまでフォロー致します。
Q.慢性副鼻腔炎はしっかりと治療すれば治るものでしょうか?
昔と違って、慢性副鼻腔炎イコール手術という時代ではなくなり、薬による治療で6~7割(お子さんの場合には8~9割)は治るようになってきました。治らない病気ではないので根気よく治療を続けてゆきましょう。
Q.あまり通院ができないのですが大丈夫ですか?
鼻症状がひどい場合には鼻をかむかもしくは通院にての鼻処置が必要だと考えますが、ある程度落ち着いてくれば徐々にお薬を出す期間も長くしてゆきますので無理なく治療を継続できると考えています。通院のペースについては医師にご相談下さい。
Q.手術をした方が早く治りますか?リスクはありませんか?
ポリープがある場合(特に大きい場合)、お薬の治療で1カ月以上経っても改善が無い場合、手術をした方が良い場合が多いです。根本的な手術の場合には病院へご紹介いたします。鼻の中の術後の傷がしっかりと落ち着くまでは、適切な処置が必要となります。再発を防ぐためにも術後は当院でフォローを行ってゆきます。
Q.慢性副鼻腔炎と言われて治療をしていないのですが、これを放置しておくとどうなりますか?
慢性副鼻腔炎と言われてはいるけれども症状(鼻づまり・鼻水・鼻が喉に流れる)の無い場合、心配のないことが多いですが、上に挙げたような自覚症状がないものの稀にポリープがあったり腫瘍があったりする場合があるのでしっかりと診察を受けられることをお奨め致します。